「ビットコインに興味はあるけれど、いきなりまとまった金額を買うのは怖い」そんな人が最初に検討しやすいのが、ビットコインのつみたてです。

つみたてとは、決めた金額を、決めたタイミングで、定期的に買っていく方法のことです。米SECのInvestor.govでも、価格の上下に関係なく、同じ金額を一定間隔で投資していく方法として説明されています。

ビットコインつみたてとは?

ビットコインつみたては、たとえば「毎月1回、3,000円分のビットコインを買う」といったように、あらかじめルールを決めて、コツコツ買い続ける方法です。一度にまとめて買うのではなく、時間をかけて少しずつ買っていくのが特徴です。

この買い方が注目される理由は、ビットコインの価格が大きく動きやすいからです。金融庁も、暗号資産は法定通貨ではなく、価格が変動し、急落して損をする可能性があると案内しています。つまり、ビットコインは「いつ買うか」がとても難しい資産です。つみたては、その難しさに対して、買い方をルール化する方法だと考えるとわかりやすいです。

一括購入と何が違うのか

つみたてとよく比べられるのが、一括購入です。一括購入は、まとまったお金を一度に入れる方法です。つみたては、同じ金額を何回かに分けて入れていく方法です。

つみたてでは、価格が高いときには少ない数量を、価格が安いときには多い数量を買う形になりやすく、買うタイミングを1回に集中させずに済みます。これによって、「たまたま高い日に全部買ってしまった」という失敗をやわらげやすくなります。

ただし、ここは誤解しやすいポイントです。つみたてが、いつも一括購入より有利とは限りません。Vanguardの資料でも、まとまった資金が最初からある場合は、一括投資の方が結果的に有利になりやすいケースが多いと整理されています。つみたては「必ず得をする方法」ではなく、タイミングを読む難しさや心理的な負担を減らしやすい方法と考えるのが自然です。

なぜビットコインでは「つみたて」が選ばれやすいのか

ビットコインは、株や投資信託のように配当や分配金を受け取る資産ではありません。価格の上下がリターンに大きく影響するため、短期の値動きを当てようとすると難しさが出てきます。金融庁も、暗号資産には価格変動リスクがあると明記しています。

その一方で、ビットコインには発行ルールが比較的はっきりしているという特徴があります。BitcoinのFAQでは、新しく発行されるビットコインは時間とともに減っていき、最終的な総量は2,100万BTCになると説明されています。開発者向け資料でも、ブロック報酬は21万ブロックごと、だいたい4年ごとに半減する仕組みとされています。

だからこそ、ビットコインを買う人の中には、「短期の値動きを当てにいく」よりも、「長い時間をかけて少しずつ持つ」という考え方を選ぶ人がいます。ただし、発行上限があるからといって、価格上昇が保証されるわけではありません。BitcoinのFAQでも、価格は需要と供給で決まり、ボラティリティが高く、将来の価値が保証されるものではないと説明されています。

ビットコインつみたてのメリット

つみたてのいちばん大きなメリットは、買い時を当てようとしなくていいことです。ビットコインは値動きが大きいため、「今が安いのか、高いのか」を毎回判断しようとすると、どうしても迷いやすくなります。つみたてなら、買うタイミングを自分で毎回決める必要がありません。

もうひとつのメリットは、少額から始めやすいことです。国内サービスでも、少額から自動積立に対応しているところがあり、積立頻度も日次・週次・月次などサービスごとに選べます。最初から大きなお金を動かさなくても、実際に買ってみて自分に合うかどうかを確かめやすいのは、初心者にとって大きな利点です。

さらに、自動化しやすいのも特徴です。設定しておけば、毎回手動で注文しなくても買い付けが進むため、「気になっていたのに、結局ずっと買えなかった」という状態を避けやすくなります。

つみたての注意点とデメリット

まず大前提として、つみたてをしても損をすることはあります。ビットコインの価格そのものが下がれば、定期的に買っていても評価額は下がります。金融庁も、暗号資産は価格が急落し、損をする可能性があると案内しています。つみたては損失を消す方法ではなく、買うタイミングを分散する方法です。

また、つみたては「分散投資」とは別物です。金融庁のNISA特設サイトでも、積立投資は「あらかじめ決まった金額を続けて投資すること」、分散投資は値動きの異なる資産に分けることとして整理されています。つまり、ビットコインだけを毎月積み立てている場合、買うタイミングは分散できていても、投資先そのものは1つに集中しています。

さらに、自動積立だからといって、完全に放置していいわけでもありません。たとえばbitFlyerの案内では、日本円残高が不足している場合、積立は実行されません。また、積立時の適用レートは販売所の価格を参照するとされています。販売所は売買手数料が無料でも、購入価格と売却価格の差であるスプレッドを利用者が負担する仕組みがあり、これが実質コストになります。

毎月いくら積み立てるべき?

初心者がいちばん迷いやすいのが、ここだと思います。でも、最初に考えるべきなのは「どれだけ増えるか」よりも、どれだけなら無理なく続けられるかです。

金融庁は、資産形成の基本として、家計管理とライフプランニングを先に考えることを案内しています。投資に回す金額は、生活費や近いうちに使う予定のお金とは分けて考えるのが基本です。ビットコインは価格が大きく動く可能性があるので、「減っても生活に困らない範囲」から始める方が現実的です。

最初から正解の金額を当てる必要はありません。むしろ、値動きが気になりすぎない金額で始めて、自分がどのくらいの上下なら落ち着いて持っていられるのかを知る方が大切です。

頻度は毎日・毎週・毎月のどれがいい?

国内サービスでは、毎日・毎週・毎月など、いくつかの頻度から選べることが多いです。実際に、SBI VCトレードは日次・週次・月次、bitFlyerは毎日・毎週・毎月2回・毎月1回に対応しています。

初心者が最初に考えるべきなのは、「理論上どれが最強か」ではなく、どれなら続くかです。毎日買える設定は便利ですが、そのぶん価格を何度も見てしまって落ち着かなくなる人もいます。長く続けることを重視するなら、まずは毎月から始める方が気持ちの負担が少ないことも多いです。

始める前に確認しておきたいこと

ビットコインの積立を始めるなら、まず利用する事業者が金融庁・財務局の登録を受けた暗号資産交換業者かどうかを確認しておきたいです。金融庁は、暗号資産交換業者は登録が必要であり、暗号資産の価値を保証したり推奨したりするものではないとも案内しています。

あわせて、どの価格で買い付けるのかも見ておきたいポイントです。積立サービスによっては、販売所の価格を使って自動購入するものがあります。販売所は操作が簡単な反面、スプレッドがコストになることがあるため、長く続けるほど差が出やすくなります。

そして、忘れやすいのが税金です。日本では、暗号資産を売却して利益が出た場合、その所得は原則として雑所得に区分されます。積み立てている間は何も気にしていなくても、売却時には税金の話が出てくるので、最初から知っておくと慌てにくくなります。

シミュレーションを見るときの注意

積立シミュレーションは、「もし過去に積み立てていたらどうなっていたか」を知るには役立ちます。ただし、過去の結果は将来を保証しません。Investor.govでも、過去の成績は将来の結果を必ずしも予測しないと案内されています。

シミュレーションを見るときは、「最終的にいくらになったか」だけでなく、累計投資額、途中でどれくらい下がったか、手数料やスプレッドを含んでいるかまで確認したいところです。Investor.govも、パフォーマンスを見るときは、どんな手数料や費用が含まれているか確認するよう案内しています。

まとめ

ビットコインつみたては、価格の上下を読んで当てにいく方法ではありません。読めないことを前提に、買い方をルール化する方法です。

一括購入より必ず有利になるわけではありませんが、買うタイミングを1回に絞らず、少額から始めやすく、初心者が感情に振り回されにくいという強みがあります。

その一方で、積立をしても損をすることはありますし、ビットコインだけを買っている限り、資産の集中は残ります。さらに、事業者ごとに買付方法やコスト、設定頻度も違います。始めるなら、登録業者かどうか、販売所価格なのか、税金はどうなるのかまで含めて理解しておくことが大切です。